連載 身体障害者診断書Q&A
脳性麻痺の診断書(成人頸椎症合併例)
野村 忠雄
1
1金城大学医療健康学部
キーワード:
脳性麻痺
,
頸椎症性脊髄症
,
頸椎症性神経根症
,
身体障害者診断
,
肢体不自由
,
意見書
Keyword:
脳性麻痺
,
頸椎症性脊髄症
,
頸椎症性神経根症
,
身体障害者診断
,
肢体不自由
,
意見書
pp.252-253
発行日 2016年3月10日
Published Date 2016/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200542
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脳性麻痺に伴う頸椎症の意見書とのことですが,その前に頸椎症,頸椎症性神経根症,頸椎症性脊髄症について簡単に説明したいと思います.椎間板,椎間関節,Luschka関節の退行変性が基礎となり椎体間・椎間孔の狭小化,骨棘形成などが加齢とともに顕著となり,頸椎の可動域制限,頸部痛,凝り感などの局所症状を呈した状態を頸椎症と言います.この状態に神経根症状を呈したものが頸椎症性神経根症であり,脊髄症を合併した状態が頸椎症性脊髄症です.今回は,成人脳性麻痺での頸髄性神経根症,脊髄症の両者について考えていきたいと思います.一般の頸椎症は主に頸椎の屈曲・伸展の過剰運動によって生じますが,脳性麻痺,特にアテトーゼ型ではこれに回旋・側屈が加わった複雑な運動の繰り返しで発症するとされています1).その特徴を表1で示します2).
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