Japanese
English
特集 頸椎神経根症再考
頸椎症性神経根症の画像診断
Imaging Diagnosis of Cervical Spondylotic Neuropathies
藤原 史明
1
,
金 景成
2
,
井須 豊彦
3
Fumiaki FUJIHARA
1
,
Kyongsong KIM
2
,
Toyohiko ISU
3
1白十字病院脳神経外科
2日本医科大学千葉北総病院脳神経外科
3釧路労災病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Hakujyuji Hospital
キーワード:
頸椎症性神経根症
,
cervical radiculopathy
,
CTミエログラフィー
,
CT myelography
,
動態撮影
,
dynamic imaging
Keyword:
頸椎症性神経根症
,
cervical radiculopathy
,
CTミエログラフィー
,
CT myelography
,
動態撮影
,
dynamic imaging
pp.969-975
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202445
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はじめに
頸椎は脊椎の中で最も可動域が広く,かつ重い頭部を支えるため力学的ストレスがかかりやすい部位である.椎体上面の後外側には上方へ突出するLuschka関節があるが,この関節は胸腰椎ではみられず,力学的ストレスから早期に変形をきたしやすい.Luschka関節は椎間孔に向かって上方に舌状に突出しているため,Luschka関節の骨棘や椎間板の膨隆は椎間孔に突出しやすく神経根症をきたしやすい.頸椎症性神経根症は加齢とともに増加するが,C7神経根症が最も多く(60%),次いでC6神経根症が発症しやすい(25%)との報告がみられる4).
頸椎症性神経根症の診断は,身体所見と画像所見が一致して初めて診断に至る.身体所見の重要性はいうまでもなく,Spurlingテストの感度,特異度はそれぞれ95%,94%10)と報告されており,Spurlingテスト陽性の患者では画像検査で高頻度に神経根症の所見が検出される.画像診断には頸椎X線,CT,MRIなどを用いるが,それぞれの短所,長所を理解したうえで総合的に判断する必要がある.
神経根症の鑑別としてPancoast腫瘍などの腕神経叢での神経障害や末梢神経障害も挙げられるが,本稿では頸椎変性疾患の画像診断にフォーカスして解説する.
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