Japanese
English
特集 頸椎神経根症再考
頸椎症性神経根症の疫学
Epidemiology of Cervical Spondylotic Radiculopathy
岩﨑 素之
1
Motoyuki IWASAKI
1
1北海道大学大学院医学研究院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Hokkaido University Graduate School of Medicine
キーワード:
疫学
,
epidemiology
,
頸椎症性脊髄症
,
degenerative cervical myelopathy
,
頸椎症性神経根症
,
cervical spondylotic radiculopathy
Keyword:
疫学
,
epidemiology
,
頸椎症性脊髄症
,
degenerative cervical myelopathy
,
頸椎症性神経根症
,
cervical spondylotic radiculopathy
pp.936-939
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202440
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はじめに
頸椎症性神経根症(cervical spondylotic radiculopathy:CSR)は,頸椎の変性や椎間板の障害によって神経根が圧迫されることで引き起こされるcommon diseaseであり,われわれが日常で頻繁に診察しているものである.圧迫されている神経根に関連して,支配筋の筋力低下,深部腱反射の低下,関連デルマトームに感覚障害や神経障害性疼痛をきたすことが一般的な症状である.関連する巧緻運動障害や疼痛のため日常生活に大いなる支障をきたすことがあり,保存療法による改善が乏しければ手術介入を考慮することも多い.脊髄の圧迫によって引き起こされる頸椎症性脊髄症(cervical spondylotic myelopathy:CSM)の疫学に関する報告は比較的多いが,CSRについては少ない.また,CSMとCSRが併存したり,頸椎変性疾患を分類する際に,後述するような診断病名の曖昧さという問題があり,正確な発生頻度などを把握することがやや困難であることも理解する必要がある.
本稿では,CSMとの対比も含めてCSRの有病率,発生年齢と性別における傾向,原因とリスク因子,そして地域や人口集団における疫学的特徴について解説する.
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