Japanese
English
研究と報告
力学的エネルギー交換率の歩行効率指標としての妥当性—脳卒中片麻痺患者および健常者における検討
Validation of mechanical energy exchange for the assessment of walking efficiency in patients with stroke and healthy older persons
井上 靖悟
1
,
山口 智史
2
,
小宅 一彰
1
,
田辺 茂雄
3
,
近藤 国嗣
1
,
大高 洋平
1,2
Seigo Inoue
1
,
Tomofumi Yamaguchi
2
,
Kazuaki Oyake
1
,
Shigeo Tanabe
3
,
Kunitsugu Kondo
1
,
Yohei Otaka
1,2
1東京湾岸リハビリテーション病院
2慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
3藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
1Tokyo Bay Rehabilitation Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
3Faculty of Rehabilitation School of Health Science,Fujita Health University
キーワード:
歩行速度
,
歩容
,
歩行分析
,
重心移動
,
回復期
Keyword:
歩行速度
,
歩容
,
歩行分析
,
重心移動
,
回復期
pp.1049-1054
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200420
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要旨 【目的】脳卒中片麻痺患者および健常者において,力学的エネルギー交換率(%Recovery;%R)が歩行効率の指標として妥当であるか検証するために,生理的コスト指数(physiological cost index;PCI)との併存的妥当性を検討した.【方法】対象は,歩行が近位監視以上で,心肺機能に障害のない回復期脳卒中患者21名(平均年齢66±10歳,平均発症後期間108±59日)および健常高齢者15名(平均年齢67±7歳)とした.課題は,快適速度での10m歩行および6分間歩行とした.解析指標は,10m歩行速度,10m歩行中に腰部に取り付けた加速度計データから算出した%Rおよび6分間歩行から得られたPCIとした.解析は,まず10m歩行速度,%RおよびPCIの関係をSpearman順位相関係数により検討した.そのうえで,%RとPCIの関係について,歩行速度の交絡を取り除くために10m歩行速度を制御変数としたSpearman偏順位相関係数を用いて検討した.【結果】脳卒中患者において,10m歩行速度と%R(r=0.668),10m歩行速度とPCI(r=−0.770)および%RとPCI(r=−0.730)の間に,それぞれ有意な相関を認めた(p<0.05).10m歩行速度を制御変数とした%RとPCIの偏相関係数は−0.454であり有意な負の相関を認めた(p<0.05).一方,健常高齢者においては,3つの指標間に有意な相関関係は認めなかった.【結語】%Rは,脳卒中片麻痺患者の快適歩行において,歩行効率の指標として妥当であることが示唆された.
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