Japanese
English
短報
回復期リハビリテーション病棟における損傷半球の違いによる転倒の特徴
Characteristic of the falls by the difference in damage hemisphere in convalescence rehabilitation ward
渡部 喬之
1,2
,
迫 力太郎
1
,
鈴木 久義
2
,
真野 英寿
3
,
水間 正澄
3
Takayuki Watabe
1,2
,
Rikitaro Sako
1
,
Hisayoshi Suzuki
2
,
Hidetoshi Mano
3
,
Masazumi Mizuma
3
1昭和大学藤が丘リハビリテーション病院リハビリテーションセンター
2昭和大学大学院保健医療学研究科
3昭和大学医学部リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation, Showa University Fujigaoka Rehabilitation Hospital
2Graduate School of Nursing and Rehabilitation Sciences, Showa University
3Department of Rehabilitation Medicine, School of Medicine, Showa University
キーワード:
転倒
,
損傷半球
,
回復期リハビリテーション病棟
Keyword:
転倒
,
損傷半球
,
回復期リハビリテーション病棟
pp.1055-1059
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200422
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要旨 【はじめに】脳血管障害患者において,損傷半球の違いにより行動パターンは異なるため,転倒に至る状況に違いがある可能性がある.本研究は,回復期リハビリテーション病棟に入棟している脳血管障害患者において,損傷半球の違いによる転倒の特徴を検討することを目的とした.【対象と方法】当院で転倒経験のある67名(右半球損傷者30名,左半球損傷者37名)を対象とした.転倒時の状況を後方視的に調査し,統計処理にて比較検討した.【結果】入棟から転倒発生までの期間は,右半球損傷者のほうが短い傾向にあった.転倒時の動作は,右半球損傷者の約70%が主治医より指示された安静度内での動作であったのに対し,左半球損傷者は約35%であり,安静度から逸脱した動作で転倒に至る傾向にあった.発生した時間帯は,左半球損傷者において夜間の転倒が多かった.【考察】右半球損傷者は安静度内での動作で転倒しており,また入棟後早期に発生する傾向にあったことから,安静度決定には慎重な判断が必要である.左半球損傷者は安静度を逸脱した動作で転倒する傾向があり,また夜間の転倒も多いことから,行動パターンを検討し先回りしたケアが必要である.【まとめ】本研究で得られた損傷半球の違いによる特徴を考慮した転倒予防対策の実践が必要である.
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