Japanese
English
研究と報告
脳卒中片麻痺患者の車椅子移乗に関連する動作の難易度
The difficult components of a transfer task in post-stroke hemiplegia.
坂田 祥子
1
,
大高 洋平
1,2
,
佐藤 雅哉
1
,
坂上 幸子
1
,
近藤 国嗣
1
Sachiko Sakata
1
,
Yohei Otaka
1,2
,
Masaya Sato
1
,
Sachiko Sakagami
1
,
Kunitsugu Kondo
1
1東京湾岸リハビリテーション病院
2慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Tokyo Bay Rehabilitation Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
移乗
,
日常生活動作
,
安静度
,
難易度
,
回復期
Keyword:
移乗
,
日常生活動作
,
安静度
,
難易度
,
回復期
pp.763-770
発行日 2014年8月10日
Published Date 2014/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110594
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
要旨:〔目的〕車椅子移乗動作を自立するためには,その周辺動作も含めた,いくつもの細かい工程から構成される一連の動作が自立する必要がある.そこで,脳卒中片麻痺患者を対象として,移乗動作における一連の構成動作の難易度について検討した.〔対象〕2008年1月から2009年11月に,当院入院の初発脳卒中片麻痺患者で,入院時の移動手段が車椅子であった片麻痺患者126名のうち,移乗動作が全自立もしくは全介助であった16名を除く110名(右片麻痺61名,左片麻痺49名)を分析対象とした.〔方法〕当院で独自に作成・使用している移乗動作評価表の結果について,各構成動作の難易度に着目して,後方視的に解析を行った.また,難易度について,麻痺側による違いについても検討した.〔結果〕難易度の高い上位5項目については,麻痺側に関係なく「L字バー操作」,「移乗準備」,「靴履き」,「ベッドアプローチ」,「布団掛け」の順であり,周辺動作での難易度が高かった.次いで,右片麻痺では,移乗動作そのものである「方向転換」が,左片麻痺では周辺動作である「靴脱ぎ」,「車椅子駆動」において難易度が高い,という特徴を認めた.〔結語〕車椅子移乗動作の一連の構成動作について,難易度を示すことができた.また,構成動作の難易度には,麻痺側による違いが存在することが示唆された.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.