Japanese
English
研究と報告
脳卒中片麻痺患者の洗体動作に関連した細動作の難易度
The difficult components of a bathing task in post-stroke hemiplegia
北村 新
1
,
大高 洋平
1,2
,
坂田 祥子
1
,
熊谷 将志
1
,
近藤 国嗣
1
Shin Kitamura
1
,
Yohei Otaka
1,2
,
Sakata Sachiko
1
,
Masashi Kumagai
1
,
Kunitsugu Kondo
1
1東京湾岸リハビリテーション病院
2慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Tokyo Bay Rehabilitation Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
日常生活動作
,
入浴動作
,
回復期
Keyword:
日常生活動作
,
入浴動作
,
回復期
pp.1147-1155
発行日 2015年12月10日
Published Date 2015/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200452
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要旨 【目的】洗体動作は脳卒中患者の日常生活動作のなかで難易度が高い.しかし,実際の洗体動作の詳細な検討はない.本研究の目的は,洗体動作を構成する諸動作の難易度について検討することである.【対象】2014年1〜12月に,東京湾岸リハビリテーション病院(以下,当院)に入院した初発脳卒中片麻痺患者で,入院中に入浴を行った患者のうち,移乗動作が軽介助以上の者66名(右片麻痺39名,左片麻痺27名)を対象とした.【方法】独自に作成した洗体動作評価表を用いて,病棟での入浴を作業療法士が評価した.一連の洗体動作を「石鹸を泡立てる」,「洗体」,「洗い流す」,「タオルを洗う」,「身体を拭く」の5動作に大別したうえで,さらに計41項目の細動作に分類し自立度を判定した.各動作の難易度を解析した.【結果】洗体動作全体として何らかの監視・介助を要する非自立者の割合は62.1%(41名)であった.5動作のなかでは,非自立者割合は「洗体」が45.4%と最も多く,次いで「身体を拭く」で36.3%であった.細動作のなかでは,「胸背部を洗う」で非自立の割合が34.9%と最も高く,続いて「身体各部位を拭く」31.9%,「身体各部位を洗い流す」30.3%,「臀部を洗う」27.2%,「腰背部を洗う」24.2%であった.【結語】脳卒中片麻痺患者の洗体動作の自立を早めるうえでは,背部などの洗体の難易度の高い部位の訓練に加えて,周辺動作の評価・介入の重要性が示唆された.
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