Japanese
English
研究と報告
脳卒中片麻痺患者のトイレ動作に関連する動作の難易度
The difficult components of a toileting task in post-stroke hemiplegia
坂田 祥子
1
,
大高 洋平
1,2
,
佐藤 雅哉
1
,
坂上 幸子
1
,
近藤 国嗣
1
Sachiko Sakata
1
,
Yohei Otaka
1,2
,
Masaya Sato
1
,
Sachiko Sakagami
1
,
Kunitsugu Kondo
1
1東京湾岸リハビリテーション病院
2慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Tokyo Bay Rehabilitation Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
排泄
,
日常生活動作
,
安静度
,
難易度
,
回復期
Keyword:
排泄
,
日常生活動作
,
安静度
,
難易度
,
回復期
pp.233-240
発行日 2015年3月10日
Published Date 2015/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200167
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要旨 【目的】トイレ動作が自立するためには,便座へのアプローチ,ドアの開閉など周辺動作も含めた,いくつもの細かい行程から構成される一連の動作が自立する必要がある.トイレ動作における構成動作の難易度について,脳卒中片麻痺患者を対象に検討した.【対象】2008年1月〜2009年11月に,当院に入院した初発脳卒中片麻痺患者で,入院時の移動手段が車椅子であった患者のうち,トイレ動作が全自立もしくは全介助であった者を除く106名(右片麻痺57名,左片麻痺49名)を分析対象とした.【方法】当院で独自に作成,使用しているトイレ動作評価表の結果について,各構成動作の難易度に着目して,後方視的解析を行った.また,麻痺側による違いについても検討した.【結果】最も難易度の高い構成動作は,「下衣上げ」であり,続いて「ドア開閉」,「下衣下げ」,「方向転換」であった.麻痺側別では,上位の項目は,ほぼ同様の傾向であったが,右片麻痺ではトイレ動作そのものである「方向転換」,「立ち上がり」,「車椅子着座」などが,左片麻痺では「便座へのアプローチ」,「フットレスト下肢のせ」,「フットレスト下肢下ろし」などの周辺動作の項目が,反対側に比べ難易度順が上位となっていた.【結語】トイレ動作を構成する一連の動作のなかで,麻痺側にかかわらずもっとも難易度が高いのは「下衣上げ」であり,早期からの取り組みの重要性が示唆された.
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