Japanese
English
短報
短下肢装具の着用が回復期脳卒中患者の歩行変動性に及ぼす影響
Effects of an ankle foot orthosis on gait variability in subacute stroke patient.
小宅 一彰
1
,
山口 智史
2,3
,
田辺 茂雄
4
,
横山 明正
1
,
近藤 国嗣
1
,
大高 洋平
1,5
Kazuaki Oyake
1
,
Tomofumi Yamaguchi
2,3
,
Shigeo Tanabe
4
,
Akimasa Yokoyama
1
,
Kunitsugu Kondo
1
,
Yohei Otaka
1,5
1東京湾岸リハビリテーション病院
2慶應義塾大学大学院医学研究科
3日本学術振興会
4藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
5慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Tokyo Bay Rehabilitation Hospital
2Graduate School of Medicine, Keio University
3Japan Society for the Promotion of Science
4Faculty of Rehabilitation, School of Health Science, Fujita Health University
5Department of Rehabilitation Medicine, School of Medicine, Keio University
キーワード:
脳卒中
,
歩行周期時間変動性
,
短下肢装具
Keyword:
脳卒中
,
歩行周期時間変動性
,
短下肢装具
pp.183-186
発行日 2013年2月10日
Published Date 2013/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110026
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要旨:〔目的〕短下肢装具の着用が回復期脳卒中患者の歩行変動性に及ぼす影響を検討した.〔方法〕対象は同意が得られた回復期脳卒中患者16名とした.平均年齢61±12歳,発症後期間15±6週,脳梗塞8名/脳出血8名,麻痺側は右6名/左10名であった.測定課題は,快適速度での10m歩行とした.測定条件は,短下肢装具の有無で2条件とし,各条件2回ずつ測定した.課題中は,対象者が所有する杖および短下肢装具を用いた.10m歩行の所要時間と歩数から,時間距離因子として歩行速度,歩行率,重複歩距離を算出した.歩行変動性の評価は,小型無線加速度計を用いて,歩行周期時間の変動係数を算出した.すべての測定項目について,装具の有無による変化を検討した.また装具着用による変化率について,歩行変動性と時間距離因子の関連を検討した.〔結果〕短下肢装具着用によって歩行速度,歩行率,重複歩距離は有意に増加し,歩行変動性は有意に減少した.歩行変動性の変化率は時間距離因子の変化率と相関しなかった.〔結語〕回復期脳卒中患者における短下肢装具の着用は,時間距離因子を向上させるだけでなく,歩行変動性を減少させ,歩行安定性も改善させる可能性が示された.また歩行変動性の改善は,時間距離因子の向上とは関連しないことが示された.
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