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特集 脳卒中リハビリテーションのエビデンス
歩行
Evidence-based gait rehabilitation for patients with stroke
長谷 公隆
1
Kimitaka Hase
1
1関西医科大学附属枚方病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kansai Medical University Hirakata Hospital
キーワード:
片麻痺歩行
,
歩行機能評価
,
治療ガイドライン
Keyword:
片麻痺歩行
,
歩行機能評価
,
治療ガイドライン
pp.207-214
発行日 2015年3月10日
Published Date 2015/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200162
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はじめに
脳卒中による異常歩行の代表は片麻痺歩行であり,典型的には筋緊張亢進を伴って痙性歩行を呈する.片麻痺歩行の特徴は,麻痺肢の不安定性を体幹および非麻痺肢が補う非対称性にあるが,その歩行障害の病態は麻痺の重症度や併存する症候によって多様である.また片麻痺に加えて,小脳障害,深部感覚障害による失調,多発性脳梗塞などでみられる高次歩行障害(higher-level gait disorders)も問題となる.したがって,脳卒中による歩行障害の治療法は,病態を診断・評価したうえで選定しなくてはならず,ガイドラインで推奨される治療法がすべての症例で有効な訳ではないことに留意する必要がある.
脳卒中は介護状態に至る最も重要な疾患であり,片麻痺歩行の帰結を高めるべくさまざまな治療技術の効果が検証されている.脳卒中ガイドライン2009が発表されて以降も数多くの成果が呈示されており,限られた紙面上でこれらすべてについてのエビデンステーブルを作成することは不可能である.脳卒中治療ガイドライン2015の公表が間近となっているが,本稿では,体系的レビューを中心に片麻痺歩行の評価・治療に関するエビデンスを紹介する.
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