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実践講座 体幹装具・下肢装具—私はこう選んでいる・1【新連載】
脳卒中片麻痺に対する下肢装具
Lower extremity orthosis for hemiparesis after stroke
長谷 公隆
1
Kimitaka Hase
1
1関西医科大学附属病院リハビリテーション科
1Department of Physical Medicine & Rehabilitation, Kansai Medical University
キーワード:
片麻痺歩行
,
長下肢装具
,
短下肢装具
,
床反力ベクトル
Keyword:
片麻痺歩行
,
長下肢装具
,
短下肢装具
,
床反力ベクトル
pp.629-634
発行日 2017年6月10日
Published Date 2017/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200992
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はじめに
片麻痺歩行では,非麻痺側による代償は必要不可欠である.しかしながら,麻痺肢を使わなければその神経回路は退行し(use it or lose it),過剰な代償的運動制御(bad habit)は機能回復に悪影響をもたらし(principle of interference),パフォーマンスの達成に必要な運動スキルの練習を反復しなければ改善は見込めない(principle of specificity)1).したがって,リハビリテーション治療における共通の方略は,麻痺肢の使用を促して,代償的適応(compensatory adaptation)をできる限り抑制し,課題特異的な運動スキルの練習(task-specific practice)を「“repetition”and“intensity”」の原則に基づいて課すことである.
これらを実現するために,下肢装具はなくてはならないツールである.一方で,異常歩行を矯正し,安全性,安定性と効率性を提供する歩行用日常用具としての役割も重要である.この治療的側面と生活支援的側面とを鑑みた脳卒中片麻痺の下肢装具療法の考え方について,歩行再建の過程を追って述べる.
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