Japanese
English
研究と報告
片麻痺歩行の床反力解析
Analysis of Hemiplegic Gait with Measurement of Floor Reaction Force.
森田 定雄
1
,
古屋 光太郎
1
,
山本 晴康
1
,
奥村 信二
1
Sadao Morita
1
,
Kohtaro Furuya
1
,
Haruyasu Yamamoto
1
,
Sinji Okumura
1
1東京医科歯科大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokyo Medical and Dental University School of Medicine
キーワード:
床反力
,
片麻痺歩行
Keyword:
床反力
,
片麻痺歩行
pp.771-775
発行日 1989年10月10日
Published Date 1989/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106142
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
まえがき
床反力を用いた歩行解析は,その歴史は古いが,いまだに臨床の現場で十分に受けいれられているとはいいがたい.かつては床反力計自体の精度が不十分であり,他施設とのデータの比較が困難1)であったことにも一因がある.しかし,近年,床反力計にある程度の精度が得られ,規格化された市販品が出回るようになったにもかかわらず,いまだに臨床医より批判的な意見をよく耳にするのは,その利用法に対する明確な考えが不明瞭なためと思われる.
われわれは床反力計の有用な利用法は客観的なデータを得ることにより歩行が記録保存され,また他施設の計測結果と比較検討できること,さらに検者の主観(肉眼)ではとらえにくい異常,変化を把握できることにあると考える.歩行の記録という面では特に問題はなく,床反力3分力の原波形を保存することで,その目的は達せられると考えられる.そこで今回は,片麻痺患者を対象にその歩行能力の定量化を試み,その結果から施設間相互で片麻痺患者の歩行能力を比較することが十分可能である評価法が得られたと考えられたので報告する.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.