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特集 脳卒中リハビリテーションのエビデンス
回復期・生活期(維持期)のシステム
Post-acute rehabilitation services in stroke
梅津 祐一
1
Yuichi Umezu
1
1小倉リハビリテーション病院
1Kokura Rehabilitation Hospital
キーワード:
脳卒中
,
回復期
,
生活期
,
リハビリテーションシステム
Keyword:
脳卒中
,
回復期
,
生活期
,
リハビリテーションシステム
pp.193-198
発行日 2015年3月10日
Published Date 2015/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200159
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はじめに
近年の急速な超高齢化において心身機能の低下を来す脳卒中患者は増加傾向にあり,自宅復帰や社会参加のための包括的なリハビリテーションの必要性は明らかに増大している.多くの脳卒中患者は「できるかぎり住み慣れたところでいきいきと暮らす」ことを望んでおり,在宅生活に向けたさまざまな支援が必要である.
医療における脳卒中リハビリテーションは急性期,回復期,生活期(維持期)に分けられる1-3).急性期リハビリテーションは発症直後から起こりうる心身機能低下の予防と,在宅生活を意識してより早期から日常生活動作(activities of daily living;ADL)能力を改善させることを目的とする.回復期は最大限の機能回復をめざし,良質で密度の濃いリハビリテーションサービスを提供し在宅復帰を支援するために行われる.生活期は獲得した機能をできる限り長い期間維持するため,また生活状況に応じさらなるADL能力向上を目的に実施される.
2000年4月の診療報酬改定により,特定入院料に回復期リハビリテーション病棟入院料が設けられた.医療費高騰の抑制のために,急性期病院では平均在院日数の短縮化が推進されている.また,介護保険では在宅ケアサービス体制が整備されつつあり,急性期治療と在宅療養の間に位置するのが回復期リハビリテーション病棟であり,社会的にきわめて重要な役割を担う.
本稿では主に筆者が勤務する小倉リハビリテーション病院(以下,当院)で実際に行っている回復期リハビリテーション病棟における診療活動や急性期,生活期(維持期)との地域医療連携を紹介し,そのエビデンスについて考察したい.
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