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第1土曜特集 健康危機への備えと対応――パンデミックと能登半島地震を踏まえた社会とシステムのあり方
社会と健康の視点から
パンデミックに備える急性期,回復期,維持期リハビリテーションシステムの構築
Establishment of rehabilitation system for acute, comprehensive, and maintenance phase in preparation for pandemics
青山 朋樹
1
Tomoki AOYAMA
1
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
キーワード:
パンデミック
,
リハビリテーション
,
急性期
,
回復期
,
維持期
Keyword:
パンデミック
,
リハビリテーション
,
急性期
,
回復期
,
維持期
pp.59-64
発行日 2025年4月5日
Published Date 2025/4/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293010059
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わが国のリハビリテーションは急性期,回復期,維持期の3つのフェーズから成り立っており,急性疾患や外傷の治療を行う急性期病院から,患者が暮らす生活に戻り,自立した生活を続けるためのリハビリテーションを提供するシステムがある.基本的な手技や考え方は共通しているものの,目指すゴールやスタッフ構成,業務形態,保険制度,事業母体などが異なるため,パンデミックにおける対応の方法やスピードには違いがあり,ときには対応困難な場合もある.必要な対応項目は,感染防御に関する教育と実践,ゾーニング,リスク管理,情報共有であり,これらは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を経験して,ある程度は実践することができた.しかし,十分に対応できなかったスタッフのメンタルヘルスケアや人員確保の問題は,今後の課題として残されている.次のパンデミックに備えるためには,COVID-19において培った実践に加えて,デジタル技術を用いた人員不足の解消や人材交流,施設間の連携強化を行うことが必要である.

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