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特集 医療福祉ロボット―実用化に向けて
開発現場からみた課題と解決への鍵
The issue seen at development field, and key to the solution.
中西 貴江
1
Yoshie Nakanishi
1
1株式会社安川電機技術開発本部スマートロボティクスセンタ
1Smart Robotics Center, Technology & Development Div. YASKAWA Electric Corporation
キーワード:
リハビリテーションロボット
,
開発
,
実用化
Keyword:
リハビリテーションロボット
,
開発
,
実用化
pp.721-726
発行日 2014年8月10日
Published Date 2014/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110583
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背景と現状
わが国が迎えつつある高齢化社会において,高齢者自身の健康維持や,医療,介護,福祉に対する意識は高く,それに応えるべく対策が必要とされている.60歳以上の人を対象とした調査のなかで,特に力を入れて欲しいと回答した割合の高い施策は,「介護や福祉サービス」,「医療サービス」が上位を占めている1).また,優先的にお金を使いたいものは何かの回答に,「健康維持や医療介護のための支出」が1位となっている1).それに対して政府は,内閣府の2013年度,高齢社会対策のなかで,「我が国のものづくり力を活かし,世界に先駆けてわが国発の革新的医薬品・医療機器を開発するとともに再生医療を推進し,医療関連分野におけるイノベーションを一体的に推進する.これにより,健康長寿社会の実現と我が国の経済成長の実現,積極的な海外市場への展開を目指す」としている2).
そのような背景から,医療,介護,福祉支援を目的とした開発が進んでおり,リハビリテーション分野でもリハビリテーションロボットの実用化に向けた積極的な取り組みが実施されている.しかし,残念ながら,リハビリテーションロボットが病院,施設,在宅など,現場での実用化にまでは至っていないという現状がある.実用化を阻んでいる要因や課題は何か,その解決に向けて何が必要かなど,具体的に検討すべき課題が多く残されている.
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