学会報告
第74回神奈川リハビリテーション研究会―2013年3月16日(土),於:横浜市立大学福浦キャンパスヘボンホール
佐鹿 博信
1
1横浜市立大学
pp.277-279
発行日 2014年3月10日
Published Date 2014/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110447
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1.患肢温存術後11年で感染により再置換術を施行した成人男性の理学療法経過
横浜市立大学附属病院リハビリテーション科
三縄 智栄・他
〔はじめに〕右脛骨近位骨肉腫で腫瘍用人工膝関節再置換術(total knee arthroplasty;TKA)を行い,その後の感染による再TKA後の理学療法を経験した.介入の結果,歩行能力が改善し復職に至ったので報告する.〔症例〕28歳,男性.患肢は著明な内反尖足拘縮と筋力低下を呈していた.主科からの指示には荷重,筋力強化,膝関節可動域(range of motion;ROM)に制限があった.本人のニードは片杖歩行による復職であった.〔介入〕足ROM制限に対し,マッサージ・超音波療法・下腿三頭筋伸長を行い,足部のアライメントに配慮しながら立位ex,荷重exを重点的に実施した.併せて,荷重制限と能力に応じた補助具を選択し歩行exを進めた.〔結果〕入院・外来通院を合わせ20週介入し,膝関節筋力はPoorにとどまったが,足関節背屈ROMは-5度まで改善した.歩行能力は屋内杖なし歩行,屋外片杖歩行を獲得し復職に至った.〔考察〕足関節ROMの改善が効率の良いアライメントを得る一助となり,歩行獲得につながったと考えられた.
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