学会報告
第50回神奈川リハビリテーション研究会―2001年4月7日(土),於:横浜市総合リハビリテーションセンター1階多目的ホール
成田 すみれ
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
pp.875-877
発行日 2001年9月10日
Published Date 2001/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109587
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1.在宅脊髄小脳変性症者の生活環境整備一屋内移動に対する支援
横浜市総合リハビリテーションセンター地域サービス室 立花光洋・藤井智・山崎哲司・渡邊慎一
在宅にてアプローチを実施した脊髄小脳変性症者17名を対象に,移動様式,生活環境整備内容などについて,訪問記録から後方視的に調査した.結果として,伝い歩き群11名,車いす群6名に分類された.伝い歩き群では床からの立ち上がり,段差昇降,開き戸の開閉動作時の転倒を防止し,歩行の安全性を確立する目的で,環境整備と動作指導を行った.留意点として手すりを腰から胸の範囲と高めに設定することと早期からバランスの問題に対応することがあげられた.一方,車いす自立群では移動の自立の獲得や安全性の向上を,車いす介助群では介助量の軽減を目的とした環境整備を実施した.移動様式を歩行から車いすへ変更する場合,本人や介護者の歩行を継続したいという強い希望があればこの歩行意欲を大切にし,生活の一部分や訓練として可能な限り歩行場面を残すことがQOLの維持・向上につながると思われた.
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