学会報告
第40回神奈川リハビリテーション研究会―1996年4月6日(土),於:横浜ラポール
伊藤 利之
1
,
成田 すみれ
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
pp.187-189
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108318
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神奈川リハビリテーション研究会の発足25周年を記念し,佐々木正美氏(横浜市総合リハビリテーションセンター参与,児童精神科医師)が,「療育について思うこと」と題して,特別講演を行った.佐々木氏は,小児療育の早期診断の場で子供の発達の遅れを受容しない(拒否をする)親が増えつつあり,これをErikson Eの心理社会的発達段階の理論にあてはめ,現代の高度に発達した日本社会の人間関係の希薄化(阻害)と関連しているようだと分析した.人間は全面的な信頼(依存)と反抗(拒否)を通して心理社会的課題(危機)を達成し(乗り越えて),自律した個性へ発達していくことを大江健三郎や黒古一夫などのことばを引用して平易に解説された.参加者(96名)にとって,非常に感銘の深い講演であった.
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