学会報告
第59回神奈川リハビリテーション研究会―2005年10月1日(土),於:横浜市立大学よこはまアーバンカレッジ
佐鹿 博信
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科
pp.293-295
発行日 2006年3月10日
Published Date 2006/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100275
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1.脳卒中者の全身持久性に対する運動指導―退院後の運動の習慣化に向けて
横浜市立脳血管医療センターリハビリテーション部
石田かおり・松葉 好子・矢野 実穂
吉川奈美子・今富 真紀・石田 直子
植木 琢也・堤 美恵・浅山 美穂
今吉 晃・横井 剛・前野 豊
入院中の脳卒中者に歩行での全身持久性向上プログラムを施行し,退院後の変化と運動の習慣化へ向けた運動指導について報告した.症例は66歳男性,脳梗塞,左片麻痺,退院時は下肢Br stage Ⅳ,T杖・SHBにて歩行自立し,復職した.全身持久性の評価は,AT,6分間最大歩行距離(6MD),VO2maxを測定した.入院中のプログラムは,AT相当の負荷となる速度で10分間連続歩行を2~3回/日,約6週間実施した.入院中の6 MDは199→304m,VO2maxは15→21ml/kg/minと向上した.しかし,勤務量の増加等により運動量が減少した3.5か月目にはVO2maxは18に低下した.そこで,趣味に通じる運動指導と自己管理の指標を提示した.その結果,全身持久性は改善し,運動は習慣化した.運動の習慣化には,客観的評価の共有,意欲や興味を引き出す運動の紹介,自己管理しやすい指標の提示による運動指導が重要と考えた.
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