学会報告
第69回神奈川リハビリテーション研究会―2010年10月2日(土),於:横浜市立大学福浦キャンパス
佐鹿 博信
1
1横浜市立大学附属病院リハビリテーション科
pp.717-719
発行日 2011年7月10日
Published Date 2011/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102151
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1.SAH後,現職復帰を果たした記憶障害を主体とする高次脳機能障害症例
横浜市立大学附属市民総合医療センター
鈴木 康弘・鴻井 建三
山岸 誠・伊藤 淳子
〔症例〕50歳代,男性,管理職.SAH後,記憶・見当識障害,高次脳機能障害がみられ,他院にてクリッピング術が施行された.37病日目に退院し,外来訓練を継続した.121病日目,復職目的で当院入院,OTを実施した.183病日目,復職した.〔開始時〕麻痺は認めずADLは自立,礼節,身なり,会話などは良好であった.前頭葉病変による記憶・注意障害がみられ,多幸的で,病識の低下により,重篤な生活障害を認めた.〔経過〕認知機能・生活訓練と並行し,代償訓練を実施した.メモリーノートは記載が定着した.i-phoneは正確なスケジュールを入力できず,使用を断念した.職場調整は,社長に現状を説明し,会社との情報交換をもとに仕事内容を指導した.家族へは,ノート記載の促し,通勤付き添いを段階付けして行うよう指導した.〔考察〕認知機能に改善を認めなかったが,メモリーノートが一部利用可能となり,記憶障害に対する認識が高まった.
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