学会報告
第77回神奈川リハビリテーション研究会—2014年10月4日(土),於:横浜市立大学福浦キャンパスヘボンホール
水落 和也
1
1横浜市立大学附属病院
pp.583-585
発行日 2015年6月10日
Published Date 2015/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200277
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1.受傷から5年経過した熱傷患者へのセルフケア獲得に向けた作業療法の経過
横浜市立大学附属病院リハビリテーション科
清水 亜紀・他
〔症例〕80代男性,2008年に職場の火災で全身の50%にⅢ度熱傷.2013年に手部の瘢痕切除のため当院形成外科受診,術前の機能改善目的に作業療法(OT)開始となった.手術は瘢痕解離と小指・環指の断端形成を行った.プログラムは渦流浴,上肢関節可動域(range of motion;ROM)訓練,装具療法,筋力訓練,自助具の作製,作業活動を実施した.OT期間は外来4週間,術後入院4週間,退院後18週間となった.〔結果〕手指ROM(Total Active Motion)は母指34°→96°,示指44°→106°,中指40°→134°,セルフケア(FIM)は食事4→7,整容3→7,更衣1→6,排泄4→7となりOT終了となった.〔まとめ〕受傷直後の急性期や回復期リハビリテーションが十分に実施できなかった症例だったが,手術と集中的なOTにより日常生活動作(activities of daily living;ADL)で有効に使える手の機能の再獲得ができた.
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