Japanese
English
特集 障害認定の課題と展望
障害認定に関わる国際的動向
The international trend of disability evaluation.
寺島 彰
1
Akira Terashima
1
1浦和大学総合福祉学部
1Faculty of Comprehensive Welfare, Urawa University
キーワード:
障害認定
,
国際的動向
,
障害者差別禁止法
,
障害者支援制度
Keyword:
障害認定
,
国際的動向
,
障害者差別禁止法
,
障害者支援制度
pp.127-134
発行日 2014年2月10日
Published Date 2014/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110398
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障害認定の意味
障害認定の意味は,障害者制度の目的に応じて,全人口のなかから対象となる人を限定することである.対象者を限定するのは,限られた予算を有効活用するためである.予算が無限にあればよいが,それが限られている以上,その予算を一定のルールにより分配するとともに分配を受けるべき人以外の人が勝手に使用することを排除する必要がある.そうでなければ,予算の無駄使いになってしまう.たとえば,1億円を100人に分配すれば,1人あたり100万円になり,生活費にしたり福祉機器を購入することもできるであろう.しかし,それを1億人に分ければ,1人1円になり,意味のないお金になってしまう.
限られた予算のなかで障害者制度を構築するには,障害者を限定する必要がある.障害認定は,予定された対象者(障害者)以外の人を排除するための制度なのである.いわゆるゲートキーパー(門番)としての機能をもっている.わが国の知的障害者更生相談所などは知的障害の認定をしているが,この門を通過しないと知的障害者を対象とした多くのサービスを受けられないのである.身体障害者福祉法第15条の指定医も身体障害の障害認定におけるゲートキーパーである.そのために,いろいろな障害者制度は,その制度の目的に応じて障害の定義をしている.
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