Japanese
English
研究と報告
エビデンスに基づいた転倒予防プログラムの実施状況と新規要介護認定者割合との関係
The relationship between the implementation of evidence-based fall prevention programs and the prevalence of certification for the eligibility of the long-term care insurance benefit.
林 尊弘
1
,
近藤 克則
2
Takahiro Hayashi
1
,
Katsunori Kondo
2
1名古屋大学医学部附属病院医療技術部リハビリ部門
2日本福祉大学社会福祉学部
1Department of Rehabilitation, Nagoya University Hospital
2Graduate School of Health and Social Services Management, Nihon Fukushi University
キーワード:
転倒予防
,
介護予防事業
,
地域相関研究
,
アンケート調査
Keyword:
転倒予防
,
介護予防事業
,
地域相関研究
,
アンケート調査
pp.359-365
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110083
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要旨:〔目的〕介護保険者が提供している転倒予防プログラムがどの程度エビデンスに基づいて行われているのか,また,その程度と新規要介護認定者割合との間に関連がみられるかを検討した.〔対象と方法〕転倒予防プログラムにおいて効果があるとのエビデンスが得られている「4つの特徴」を抽出した.そして,市町村に対するアンケート調査で市町村が実施している転倒予防事業のプログラムが,その特徴をどの程度満たしているかを調査した.対象は,「運動器の機能向上」事業のみを実施している183市町村で,回答があった71市町村(回収率38.8%)のうち,欠損値のなかった52市町村を分析対象とした.「4つの特徴」を満たす項目数と介護予防事業参加者の新規要介護認定者割合との関連をχ2検定にて分析した.〔結果〕「4つの特徴」のすべてを満たしていたのは8市町村で15.4%,3項目が23市町村(44.2%)と最も多かった.また,「4つの特徴」すべてを満たしている市町村では新規要介護認定者割合は2.8%であったのに対し,0か1項目しか満たしていない9市町村では9.2%と約3倍高かった(p<0.05).〔結語〕エビデンスが得られている4項目をすべて満たした転倒予防プログラムを提供している市町村は15.4%にとどまった.一方,プログラムがエビデンスに基づいているほど,新規要介護認定者割合が低い可能性が示唆された.
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