特集 理学療法からみた「予防」の取り組みと効果
介護・転倒予防における理学療法からみた取り組み
山田 実
1
Minoru Yamada
1
1筑波大学人間系
キーワード:
介護保険
,
介護予防
,
フレイル
,
転倒予防
,
理学療法
Keyword:
介護保険
,
介護予防
,
フレイル
,
転倒予防
,
理学療法
pp.363-369
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200527
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介護予防事業の背景
わが国の介護保険制度はドイツの制度を参考に,世界で2番目の導入国として2000年より開始された.要介護認定者は年々増加の一途をたどり,2000年に218万人であった要介護認定者数は2015年に600万人となった.この要介護認定者数の増加に伴い,2000年に3.2兆円であった介護給付費は2015年には推計で10兆円となり,介護保険料も2000年の全国平均2,911円から2015年時点で5,514円と15年間で約倍増することとなった(図1).
このような背景を受け,要介護への移行を予防することを目的に2006年より介護予防事業が開始された.介護予防を公的な資金で行うという点に関しては,世界で唯一わが国のみが実施している事業であり,世界各国よりその動向が注目されている.これまでは一次予防,二次予防という枠組みのなかで介護予防事業が実施されていたが,2015年度からは介護予防・日常生活総合支援事業と名を改め,一次・二次予防といった枠組みも撤廃された.
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