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特集 リハビリテーション病棟と看護師―病棟創りへの提言
転倒予防プログラムの実践―当院看護部の取り組み
Practice of fall prevention program:an approach in our hospital nursing department.
上中 香代子
1
Kayoko Kaminaka
1
1産業医科大学病院看護部
1University Hospital of Occupational and Environmental Health
キーワード:
転倒予防
,
対策
,
風土作り
Keyword:
転倒予防
,
対策
,
風土作り
pp.1087-1094
発行日 2012年8月10日
Published Date 2012/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102626
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はじめに
産業医科大学病院(以下,当院)では2003年より医療事故防止委員会を設置し,医療安全対策を進めてきたが,「転倒」は常に事故報告の上位にある.リハビリテーション訓練室に限らず,病棟内を含め院内のあらゆる場所で転倒が発生している.転倒予防のために,過度に患者の活動を制限したり,抑制を加えることは,リハビリテーションを阻害するだけでなく,患者の生活の質(quality of life;QOL)を損なうことにもつながる.
転倒の原因には患者や環境などのさまざまな要因があり,転倒の発生を完全にコントロールするのは困難である.そこで当院では,転倒のリスクをアセスメントし危険を予測して,危険を回避するための方策を実施することで転倒を未然に防ぐことができると考え,2003年より看護部事故防止委員会活動のなかで,①転倒の知識の強化,②事例分析,③対策立案,④安全風土作りを行ってきた.現在,この看護部の活動が病院全体の医療事故防止活動(転倒予防ワーキンググループ,以下WG)にリンクして効果を発揮している1,2).本稿では当院の看護部の取り組みとその効果について紹介する.
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