Japanese
English
研究と報告
腰椎椎間板障害に対する腰椎伸展運動―即時効果が認められる症例の特徴
Lumbar extension exercise for patients with lumbar disk lesions: characteristic of patients with immediate effect.
石田 和宏
1,2
,
対馬 栄輝
2
,
佐藤 栄修
3
Kazuhiro Ishida
1,2
,
Eiki Tsushima
2
,
Shigenobu Satoh
3
1我汝会えにわ病院リハビリテーション科
2弘前大学大学院保健学研究科健康支援科学領域老年保健学分野
3我汝会えにわ病院整形外科
1Department of Rehabilitation, Eniwa Hospital
2Department of Development and Aging, Division of Health Sciences, Hirosaki University Graduate School of Health Sciences
3Department of Orthopedic Surgery, Eniwa Hospital
キーワード:
腰椎椎間板障害
,
腰椎伸展運動
,
即時効果
Keyword:
腰椎椎間板障害
,
腰椎伸展運動
,
即時効果
pp.367-372
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110085
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要旨:腰椎椎間板障害患者に対する運動療法は,腰椎伸展運動(伸展運動)が有効との報告がある.しかし,同一診断名であっても臨床所見はさまざまであり,より詳細な分析が必要であると考える.本研究の目的は,腰椎椎間板障害患者を対象に,伸展運動にて即時効果が認められる症例の特徴を明らかにすることである.対象は,脊椎・脊髄外科指導医1名により腰椎椎間板障害と診断され,保存療法として運動療法の処方があった171例とした.検討項目は,性別,年齢,BMI,罹病期間,腰痛および下肢痛・しびれの程度,腰椎自動屈曲・伸展運動時の可動性・症状,姿勢,ODI scoreおよびsub-scoreなどとした.伸展運動は腹臥位にて両上肢の力を用いた反復運動20回とした.治療効果は,運動前後の腰痛および下肢痛・しびれの聞き取りから調査した.運動直後に疼痛やしびれの軽減が認められたのは118例(良好群),変化なしまたは悪化したのは53例(不良群)であった.また,良好例の特徴を明らかにするため,両群間で各検討項目に関して尤度比・変数減少法による多重ロジスティック回帰分析を行った.性別,ODIの睡眠,ODIの座ること,姿勢,BMI,ODI score,年齢,罹病期間が有意な項目として抽出された(p<0.01).したがって,腰椎椎間板障害に対する伸展運動は,症例の基本情報ならびに臨床所見から適応を絞ることで,さらに有用な治療法になり得ると考える.
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