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増大特集 新・リハビリテーション技術
総論―評価・診断・治療・他
治療
訓練および介助へのロボット技術の応用
Application of robot technology to rehabilitation.
榊 泰輔
1
,
岡島 康友
2
,
内田 成男
3
,
富田 豊
4
Taisuke Sakaki
1
,
Yasutomo Okajima
2
,
Shigeo Uchida
3
,
Yutaka Tomita
4
1(株)安川電機開発研究所
2杏林大学医学部リハビリテーション医学教室
3慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
4慶應義塾大学理工学部生命情報学科
1Corporate R & D Center, Yaskawa Electric Corporation
2Department of Rehabilitation Medicine, Kyorin University
3Tsukigase Rehabilitation Center, Keio University
4Department of Bioscience & Informatics, Keio University
キーワード:
介護ロボット
,
訓練ロボット
Keyword:
介護ロボット
,
訓練ロボット
pp.1081-1086
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109907
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はじめに
欧米では必要に応じたリハビリテーション医療の関与が基本で,急性期・回復期・維持期という考え方は希薄である.一方わが国では,特定機能病院から介護老人福祉施設まで各種病院・施設が存在する.厚生労働省は,病院の役割を明確にして,医療の効率化を進めるため,まず病院を急性期と慢性期とに2分化し,その間を橋渡しするものとして回復期病床を位置づけた.さらに,急性期リハビリテーションには入院期間の短縮を,回復期リハビリテーションには入院適応の明確化とリハビリテーション適応期間の短縮を求め,これ以外は維持期として介護保険へ移行する施策を進めている.
医療の激しい変化を背景に,医療福祉用ロボットに対する社会的な関心が高くなってきている.ただ,ひとくちにロボットと言っても,変わりつつある医療・介護の各位相に対し,位置づけを明確にしておく必要がある.治療と介護,治療における急性期と回復期の区分けにおいて,訓練・支援の内容およびニーズに違いがある.ほかに,ロボット技術が発展途上であることも理解したい.例えば,健常者よりも高度なものが求められる安全性,身体機能や認知能力の個体差への対応や使いやすさ,在宅用なら大きさや価格などで,人間工学的検討も不十分なのが現状である.したがって,個々の患者の状況と障害とを評価したうえで適切な機器を選択できる目がポイントとなる1).以下,介護ロボット,訓練ロボットの現状について概観する.
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