Japanese
English
特集 リハビリテーション工学の最近の進歩
福祉ロボット
Rehabilitation robots.
手嶋 教之
1
Noriyuki Tejima
1
1立命館大学理工学部ロボティクス学科
1Department of Robotics, Ritsumeikan University
キーワード:
介護ロボット
,
自立支援
,
QOL
,
安全
,
操作性
Keyword:
介護ロボット
,
自立支援
,
QOL
,
安全
,
操作性
pp.513-516
発行日 2001年6月10日
Published Date 2001/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109507
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介護ロボットの幻想
ロボットが21世紀のキーテクノロジーの一つになると,2000年秋から2001年正月にかけてテレビや雑誌が何度も特集していた.これらの報道の中ではペットロボットなどとともに人型ロボット(ヒューマノイド)が紹介され,介護ロボットとして将来期待されている旨が紹介されていたが,これらマスコミの報道は福祉ロボットの現状を正しく伝えるものではない.現在の福祉の基本的な考え方からすれば,介護ロボットよりも自立を支援するロボットに対する重要性が叫ばれてもよいはずであるが,日本で介護ロボットにばかり関心が持たれる状況は,世界の福祉の趨勢からみて時代遅れの感が否めない.
話題のヒューマノイド研究のほとんどは,将来介護に役に立つのではないかと開発者が主張しているだけであり,介護や福祉全般に関して十分に検討されたうえで開発されているものではない.顔の表情が変えられるロボットや二足歩行できるロボットなどは,遠い将来には確かに関係するかもしれないが,今のところは介護とはほど遠い内容であり,介護ロボットと呼ぶに値しない.
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