Japanese
English
研究と報告
座位リーチ動作の運動学的解析―片麻痺患者と健常者の比較
Kinematic analysis of reaching movement in seated patients with hemiplegia.
今井 覚志
1
,
小林 賢
1
,
東海林 淳一
1
,
八並 光信
1
,
佐古 めぐみ
2
,
長谷 公隆
2
,
正門 由久
2
,
木村 彰男
2
,
千野 直一
2
Satoshi Imai
1
,
Ken Kobayashi
1
,
Junichi Shoji
1
,
Mitsunobu Yatsunami
1
,
Megumi Sako
2
,
Kimitaka Hase
2
,
Yoshihisa Masakodo
2
,
Akio Kimura
2
,
Naoichi Chino
2
1慶應義塾大学病院リハビリテーション科
2慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitaion Medicine, Keio University Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
座位リーチ動作
,
運動学的解析
,
代償運動
Keyword:
座位リーチ動作
,
運動学的解析
,
代償運動
pp.161-166
発行日 2002年2月10日
Published Date 2002/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109690
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はじめに
座位でのリーチ動作を遂行するためには,対象物へ到達するための上肢動作以外に,姿勢を調節する能力が必要となる.通常,健常者は動作課題に応じ,無意識下に姿勢を調節するが,片麻痺患者では,運動麻痺に伴う筋力低下や筋緊張異常,内受容器からのフィードバックの減少といった条件のもとで,さまざまな代償運動を用いなければならない1).
慢性期片麻痺患者にみられる代償運動は,動作のエネルギー効率を低下させるのみならず,不必要な筋の活動が限定された動作パターンを一層増強させる.それゆえ,運動療法では,多くの場合,運動に不必要な筋の活動を抑制し,適切な筋の活動を促すことが要求される2,3).よって片麻痺患者の動作特性を理解することが効果的な運動療法の遂行に必要である.
代償運動を含めた動作分析は,主に起居移動動作や歩行において研究・報告されてきた.しかし,座位でのリーチ動作は,日常生活の中で多用される基本的動作であるにもかかわらず,その詳細な運動学的解析は報告されていない.本研究の目的は,健常者との比較から片麻痺患者における座位リーチ動作の運動学的特性を分析することである.
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