Japanese
English
研究と報告
体重免荷がトレッドミル歩行時の下腿筋活動に及ぼす影響
Influence of the lower thigh muscle activity by partial body weight support during treadmill walking.
東海林 淳一
1
,
小林 賢
1
,
田中 直次郎
1
,
長谷 公隆
2
,
正門 由久
3
,
里宇 明元
2
,
木村 彰男
3
,
千野 直一
2
Junichi Shoji
1
,
Ken Kobayashi
1
,
Naojirou Tanaka
1
,
Kimitaka Hase
2
,
Yoshihisa Masakado
3
,
Meigen Riu
2
,
Akio Kimura
3
,
Naoichi Chino
2
1慶應義塾大学病院リハビリテーション科
2慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
3慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
3Keio University Tsukigase Rehabilitation Center
キーワード:
免荷量
,
下腿筋活動
,
トレッドミル歩行
Keyword:
免荷量
,
下腿筋活動
,
トレッドミル歩行
pp.1175-1179
発行日 2004年12月10日
Published Date 2004/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100684
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はじめに
脊髄損傷や脳卒中患者などの中枢神経疾患患者においては,運動麻痺や痙縮などによって時間的・空間的に適切な筋収縮が得られない,などの運動調節の問題が生じ,歩行などの能力が著しく損なわれる.そのため,いかに正常に近い歩行能力を再獲得するかが課題であり,その課題を解決するために,さまざまな訓練方法が施行されている.その一つに最近,患者を器械で吊り上げ,免荷した状態で歩行訓練を行う方法がある.これによって片麻痺患者で歩行能力や歩行スピードが改善されたとの報告1),麻痺側の立脚期が延長し,正常な歩行周期に近づき,麻痺側前脛骨筋と腓腹筋の筋活動パターンも正常歩行時のパターンに近づいたとの報告2),バランス能力も改善されたとの報告3)や脳性麻痺児で歩行・動作能力が改善したとの報告4)など,この方法が効果的であるという報告が数多くなされている.しかし,免荷量の変化によって歩行時の筋活動がどのような変化をするかという報告は少ない5).また,どの程度の免荷量が有用であるかを検討した報告もなされていない.
本研究では,免荷量の変化による健常者の歩行中下肢筋活動変化を表面筋電図を用いて検討するとともに,筋活動という視点から,歩行訓練で用いる際に免荷量を考慮する必要があるかどうかを検討することを目的とした.
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