Japanese
English
実践講座 神経内科的診察法
2.振戦
Neurological examination: Tremor.
平島 富美子
1
,
水澤 英洋
2
Fumiko Hirashima
1
,
Hidehiro Mizusawa
2
1都立墨東病院リハビリテーション科
2東京医科歯科大学大学院脳神経機能病態学
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Metropolitan Bokuto Hospital
2Department of Neurology, Faculty of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
振戦
,
神経内科的診察
Keyword:
振戦
,
神経内科的診察
pp.929-932
発行日 2001年10月10日
Published Date 2001/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109598
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はじめに
不随意運動の診察は,その発現様式(安静時,姿勢時,運動時),出現部位・範囲,頻度(周波数),振幅,持続時間,規則性,負荷による変化等に注目して行い,筋固縮,筋緊張低下,筋萎縮,運動失調などの随伴症状にも着目し,鑑別を行う.本稿では,日常診療で多く認める不随意運動である振戦について,その臨床的特徴,鑑別診断等について述べる.
振戦はラテン語の“tremor”(ふるえ)に由来するが,その定義はあいまいにされている向きがある.Dejerine1)によると,振戦は“身体の全体あるいは一部分が,その平衡点の周囲に描く,不随意な律動性振動”としている.したがって,振戦は主動筋,拮抗筋に交互に出現する律動性筋収縮による不随意運動と定義される.
振戦は,その出現する状態で分類されることが多く,1)安静時振戦または静止時振戦(resting tremor,static tremor),2)動作時振戦(action tremor),3)姿勢時振戦(postural tremor),4)運動時振戦(kinetic tremor)に分けられる.動作時振戦は姿勢時振戦と運動時振戦の総称と言える.これらの分類はある程度疾患に特徴づけられる.
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