球麻痺・四肢麻痺の遷延したいわゆるcritical illness polyneuropathyの1症例

A case report of critical illness polyneuropathy: team approach for prolonged palsy.

はじめに

　1984年，Boltonらは5例の重症疾患に伴う原因不明のpolyneuropathyを報告し¹⁾，critical illness polyneuropathy（CIP）と称している．CIPは特に敗血症，多臓器不全（MOF）に合併することが多く，集中治療により救命された後，人工呼吸器からの離脱が困難であること，四肢の弛緩性麻痺と深部腱反射の低下を示すことが早期の臨床症状である²⁾．

　今回，われわれは本症と考えられ，球麻痺，四肢麻痺が遷延し，チームアプローチが必要であった症例を経験したので報告する．