間質性肺炎を伴った全身性強皮症に対するリハビリテーション―呼吸管理下リハビリテーションが有効であった1例

Pulmonary rehabilitation for a systemic sclerosis (SSc) patient with interstitial pneumonia.

はじめに

　全身性強皮症（以下，強皮症）において肺合併症は頻度が多く¹⁾，その合併により日常生活は制限され，重篤な場合は生命を脅かす．これまで強皮症の肺合併症に対して，リハビリテーションを積極的に行った報告はほとんどなく，あっても拘束性障害に対する肺理学療法としての総論的報告であり^2，3)，その拘束性障害に対する呼吸理学療法も閉塞性障害ほど確立されたものはない．

　われわれは，肺合併症により在宅酸素療法となっていた1症例に対し，今回入院中，作業療法，理学療法を行ったところ，日常生活活動（以下，ADL）の改善および機能向上を認めた．そこで，その治療プログラム，症例の治療経過に考察を加え報告する．