Japanese
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特集 リハビリテーションとロボット
ロボットアーム―上肢機能支援ロボットの開発と評価
Development and evaluation of an upper limb assistance robot.
石井 純夫
1
,
田中 理
2
Sumio Ishii
1
,
Osamu Tanaka
2
1セコム株式会社IS研究所サービスロボットグループ
2横浜市総合リハビリテーションセンター
1Service Robot Group, Intelligent Systems Laboratory, SECOM Co Ltd
2Yokohama Rehabilitation Center
キーワード:
上肢
,
ロボット
,
自立支援
Keyword:
上肢
,
ロボット
,
自立支援
pp.809-812
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101588
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はじめに
上肢に機能障害をもつ障害者・高齢者は,日々の生活にさまざまな不便さや不安を抱えている.
具体的には,コップなどを口元へ運べないので水分補給が難しい,顔や体がかゆくてもかけないため我慢しなくてはならない,就寝中に体温調整のために毛布などを掛けたり外したりしたくてもできない,携帯電話やリモコンを落としても拾えない,などが考えられる.
下肢障害がある人に対しては,車いす・歩行器などの移動を支援する機器が提供されているが,上肢障害がある人のための,上肢機能を代替・補完する支援機器は少ない.このことは,上肢が下肢に比べて,多様な動作を担い,より複雑な制御機能を要求されるため,機械化が困難であったことに起因する.
しかし近年,工学の発展により,知能化された機械,すなわちロボットの福祉分野への応用が可能となってきた.ロボットによって,障害者・高齢者の自立への要望に応える時期が到来したと言える.われわれは独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「人間支援型ロボット実用化基盤技術開発」事業を受託し,上肢機能の代わりにさまざまな日常生活動作を行う上肢機能支援ロボット(図1)の研究開発と実証試験による評価を行った.
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