巻頭言
リハビリテーションと医学教育
古市 照人
1
1獨協医科大学リハビリテーション科学教室
pp.297
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109458
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わが国では最近,医学教育の分野でさまざまな教育的改革の試みがなされている.医療者の知識・技能不足やチーム体制などの不備により専門的な技能が有効に活用されないことから,医学教育のあり方が問われているのである.
これまでのわが国の医学部教育は,基礎医学,社会医学,臨床医学という分類で区分され,講座単位による縦割りの弊害,基礎医学と臨床医学といった学問領域の閉鎖性の問題が指摘されてきた.学問の学際的領域が進展していくなかで,基礎医学や社会医学における臨床との有機的連携という観点が不足し,実践的・洞察的かつ文化的背景を考慮した教育は不十分であった.全国の医学部・医科大学80校のなかでリハビリテーション(以下,リハ)講座や教室をもっているのは十数校しかないという現状からも,とくに臨床能力としてのリハやプライマリ・ケア領域の教育は不十分であることが明らかである.
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