巻頭言
リハビリテーション医学教育について
横山 巌
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢病院
pp.255-256
発行日 1976年4月10日
Published Date 1976/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103513
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リハビリテーション医学教育はリハ医学界が現在かかえている多くの問題の中で最も重大な問題であろう.リハ医学会でもすでに第3回学会のシンポジウム,第10回学会のパネルディスカッションで討議され,リハ医学教育の必要性が強調され,医学教育の内容の検討がなされた.その後もリハ医学会の常時的活動をおこなう各種委員会の中の1つとして医学教育委員会が設けられ,現在は津山直一教授を委員長として精力的な活動がつづけられている.その成果の1つとして,昨秋からリハ医学会と日本肢体不自由児協会の共催によって若手医師に対する研修会がおこなわれ,既にCP,リハ医学総論,片麻痺に関する研修会が終わり,今後もひきつづき他のテーマについての予定が組まれるという.この研修会は極めて好評であり,大きな成果をあげたが,見方を変えればこのことは今日までいかにわが国においてはリハ医学に関する研修の場が貧しいものであったかを裏づけるものにほかならない.
最近10数年間に全国各地に数多くのリハ医療施設が生まれた.これは社会的なニードに対応して生じたものであり,わが国社会のリハ医学に対する関心と理解とは漸次に深まりつつあるように思われる.ところが,これに対応すべきリハ医学教育が大きな進展をみないことは将来のリハ医療内容の質を考えるときにまことに寒心に耐えない.
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