Japanese
English
特集 リハビリテーションの効果
脳性麻痺
The Effectiveness of Rehabilitative Intervention for Children with Cerebral Palsy.
北原 佶
1
Tadashi Kitahara
1
1北九州市立総合療育センター
1Kitakyushu Sogo Ryoiku Center
キーワード:
脳性麻痺
,
早期療育
,
治療効果
,
測定尺度
,
歩行
Keyword:
脳性麻痺
,
早期療育
,
治療効果
,
測定尺度
,
歩行
pp.823-829
発行日 2000年9月10日
Published Date 2000/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109310
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はじめに
脳性麻痺の子ども達は脳性麻痺の大人になる1).いろいろな治療が行われているが,脳性麻痺という運動障害は成人,老人になっても継続する.脳性麻痺が治ることはない.しかし,脳性麻痺児・者の活動・生活は,これまでに確実に広がりを見せている.
リハビリテーションの治療は脳性麻痺児や脳性麻痺者にいかなる利益をもたらしてきたのだろうか.捉える視点により結論は多様である.しかし,医学モデルの視点のみによる介入の限界は明らかである2).
脳性麻痺のリハビリテーション的介入の効果を検討するのが本稿の役割であるが,残念ながら,その効果の評価は一定せず,多くの議論があるところである.したがって,効果を判定するうえで脳性麻痺の持つ問題点について検討することにする.
まず,脳性麻痺の特徴,運動障害の機序について述べる.つぎに,リハビリテーション的介入の対象となる脳性麻痺の障害レベルの分類,脳性麻痺の早期介入の効果を測定する評価尺度の問題点,および環境調整による介入法の重要性を検討する.最後に脳性麻痺の歩行開始時期,歩行可否の予測とリハビリテーション的介入との関係を自験例を含めて検討する.薬物や外科的介入による効果の検討については本稿では割愛する.
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