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はじめに
障害者自立支援法が2006年4月より順次施行され,障害児施設のあり方も大きく変化したが,現在ではその自立支援法の廃止に向けての見直しが行われている(2010年12月に「障害保健福祉施策を見直すまでの間において地域生活を支援するための法律」として改正障害者自立支援法が成立した).障害児施設の運営は国の制度に左右されるが,そのあるべき姿についての基本的な考え方は多くの療育関係者のなかで共有されつつあるのではないかと思われる.厚生労働省は,2008年3月より「障害児支援の見直しに関する検討会」を開催し,同年7月に報告書をまとめている.そのなかでは4つの基本的視点として,①子どもの将来の自立に向けた発達支援,②子どものライフステージに応じた一貫した支援,③家族を含めたトータルな支援,④できるだけ子ども・家族にとって身近な地域における支援,を挙げており,これらの支援を実現していくためには,従来の施設機能にとどまらない幅広い地域資源の活用・連携が必要である.
横浜市では,1984年に策定された「障害児地域総合通園施設構想」に基づき,順次エリアごとに地域療育センターが整備され,現在は市内7施設が事業を行っている.いずれも診療所,肢体不自由児通園施設,知的障害児通園施設,相談部門をもち,乳幼児から学齢前期までの障害のある子どもに対する障害種別を超えた療育サービスを行ってきた.近年は,利用児の特性の変化に伴い,障害をもつ子どもの地域生活支援に業務の比重が移りつつあり,各区の行政機関,幼稚園・保育園,学校などとの連携の必要性がさらに増してきている.
本稿では,最近の療育対象児の動向について,肢体不自由児だけでなく精神発達系の障害児も含めて,筆者が現在までに勤務した施設の実際のデータをもとに報告を行いたい.
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