Japanese
English
研究と報告
血行障害性高齢大腿切断者の義足歩行能力に影響を及ぼす因子―5症例についての検討から
Factors Influencing Prosthetic Ambulatory Capacity of Elderly Dysvascular Patients with Trans-femoral Amputations: Five Cases Study.
陳 隆明
1
,
澤村 誠志
1
,
藤田 久夫
1
,
小嶋 功
1
,
大薮 弘子
1
,
長倉 裕二
1
,
高瀬 泉
1
,
町田 勝広
1
,
谷口 勝茂
1
,
大塚 博
1
,
中川 昭夫
1
,
中島 咲哉
2
Takaaki Chin
1
,
Seishi Sawamura
1
,
Hisao Fujita
1
,
Isao Ojima
1
,
Hiroko Oyabu
1
,
Yuji Nagakura
1
,
Izumi Takase
1
,
Katsuhiro Machida
1
,
Katsushige Taniguchi
1
,
Hiroshi Otsuka
1
,
Akio Nakagawa
1
,
Sakuya Nakajima
2
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター
2兵庫県立身体障害者更生相談所
1Hyogo Rehabilitation Center
2Hyogo Rehabilitation Consultation Office for Physically Disabled
キーワード:
高齢下肢切断者
,
血行障害
,
義足歩行能力
,
体力
Keyword:
高齢下肢切断者
,
血行障害
,
義足歩行能力
,
体力
pp.1149-1153
発行日 1999年12月10日
Published Date 1999/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109122
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はじめに
高齢下肢切断者の義足歩行訓練を行う際には,切断原因と切断時年齢は彼らの義足歩行能力の予後に深く関わるため1),常に念頭に入れておかなければならない.高齢下肢切断者と言っても,比較的若年時に外傷により切断を受け高齢に至った者と,高齢時に血行障害により切断を受けた者とでは,その臨床像は大きく異なる.近年,日本において,血行障害による高齢切断者が増加傾向にあることは周知である2,3).このような高齢切断者では全身に動脈硬化に基づく種々の合併疾患を有し,体力の低下が存在する4,5).血行障害性大腿切断者の義足歩行に要するエネルギー消費は,外傷性大腿切断者のそれに比べて大きく6),その結果,義足歩行を行うこと自体が血行障害性大腿切断者の体力を上回り,このことが彼らの義足歩行獲得を妨げる大きな要因となっている7,8).
今回,われわれは高齢時に血行障害により大腿切断を受けた5症例の義足歩行訓練を行う機会を得,全例義足歩行を獲得させることができた.本研究の目的は,これらの経験を基に義足歩行能力に影響を及ぼす諸因子を,体力的な面も含めて調査することである.
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