Japanese
English
研究と報告
インテリジェント大腿義足の歩行時エネルギー消費の検討―遊脚相制御の重要性
The Energy Expenditure in Above-Knee Amputees who are Wearing Intelligent Prosthesis: Importance of Swing Phase Control.
陳 隆明
1
,
澤村 誠志
1
,
中島 咲哉
1
,
中川 昭夫
1
,
小嶋 功
1
,
大薮 弘子
1
,
長倉 裕二
1
,
原 泰久
1
,
藤田 久夫
1
Takaaki Chin
1
,
Seishi Sawamura
1
,
Sakuya Nakajima
1
,
Akio Nakagawa
1
,
Isao Ojima
1
,
Hiroko Ooyabu
1
,
Yuuji Nagakura
1
,
Yasuhisa Hara
1
,
Hisao Fujita
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター
1Hyogo Rehabilitation Center Center
キーワード:
インテリジェント大腿義足
,
遊脚相制御
,
大腿切断者
,
エネルギー消費
Keyword:
インテリジェント大腿義足
,
遊脚相制御
,
大腿切断者
,
エネルギー消費
pp.1067-1070
発行日 1995年12月10日
Published Date 1995/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107998
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はじめに
“下腿の振り出し”は歩行にとってきわめて重要な過程である.健常者は膝を介して“下腿の振り出し”をコントロールし,膝の屈曲および伸展を調整している.しかしながら,膝を失った大腿切断者は下腿部分をもはや自分の意志どおり自由にコントロールすることは不可能である.したがって“下腿の振り出し”を健常者のそれに近づけるためには,義足の膝継手に何らかの遊脚相制御機構が必要となってくる.従来の義足の遊脚相制御装置には摩擦や伸展補助装置,さらにはより良好な制御を行うものとして油圧,空圧制御装置がある.しかしこれらの制御装置では,変化する歩行速度に対して十分な対応は不可能である.
ゆっくりした歩行から速い歩行まで,切断者のニーズに合わせた気ままな歩行ができることを目指して,インテリジェント大腿義足1-3)は,当センターで15年に及ぶ研究開発の結果できあがったものであり,遊脚相制御にマイクロコンピュータを導入し,任意の歩行速度で歩くことを可能にした.本研究の目的は,このきわめて優れた遊脚相制御装置をもつインテリジェント大腿義足を用いて,義足歩行における遊脚相制御の意義についてエネルギー消費の観点から検討することである.
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