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特集 高齢下肢切断のリハビリテーション
回復期リハビリテーション病棟における高齢下肢切断者の義足リハビリテーション
Prosthetic rehabilitation for elderly lower limb amputees in a convalescent rehabilitation ward
田中 洋平
1
Yohei Tanaka
1
1JR東京総合病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, JR Tokyo General Hospital
キーワード:
高齢下肢切断者
,
回復期リハビリテーション病棟
,
義足リハビリテーション
Keyword:
高齢下肢切断者
,
回復期リハビリテーション病棟
,
義足リハビリテーション
pp.1051-1058
発行日 2023年10月10日
Published Date 2023/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202945
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はじめに
JR東京総合病院(以下,当院)は総合病院の中に42床の回復期リハビリテーション病棟を有しており,われわれは主にそこで切断術後のリハビリテーション治療を実施している.全例リハビリテーション科医が主治医となり病棟管理とリハビリテーション治療を担当している.当院で切断術が行われることはほとんどなく,患者の多くは他院で切断術が行われた後に,義足リハビリテーション目的で当院に転院してくる.ここ最近では2021年に29人,2022年には30人と年間30人近くの下肢切断者を義足リハビリテーション目的で回復期リハビリテーション病棟に受け入れている.
2021年から2022年の2年間に受け入れた下肢切断者の内訳は下腿切断28人,大腿切断20人,股関節離断2人,両下肢切断9人であった.下腿切断の年齢平均は61歳,大腿切断の年齢平均は59歳だった.下肢切断の原因は糖尿病,閉塞性動脈硬化症(arterio-sclerosis obliterans:ASO),急性動脈閉塞を含めた包括的高度慢性下肢虚血(chronic limb-threatening ischemia:CLTI)が全体の64%を占めていた.下腿切断と大腿切断に分けてCLTIの占める割合を見てみると,下腿切断では82%とほとんどの原因がCLTIであったのに対し,大腿切断は35%と他の切断原因が占める割合も高かった.これはCLTI切断の場合,切断レベルが近位になるほど義足を使いこなした生活が難しくなることを反映しているものと考えられる.
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