Japanese
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短報
脳卒中片麻痺患者の移乗動作の研究―予備的検討
Research of Stroke Patient's Transfer Activity: Preliminary Study.
三宅 直之
1
,
柳原 幸治
1
Naoyuki Miyake
1
,
Koji Yanagihara
1
1国立東京病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Tokyo National Hospital
キーワード:
脳卒中
,
移乗動作
,
ADL
Keyword:
脳卒中
,
移乗動作
,
ADL
pp.1155-1158
発行日 1999年12月10日
Published Date 1999/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109123
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はじめに
脳卒中片麻痺患者において,ベッドから車椅子への移乗動作が自立するかどうかは,その患者が歩行自立にまで至るかどうかを決める重要な分岐点となると思われる.また,脳卒中片麻痺患者の歩行能力の自立度予測については,二木らによる,「基礎的ADL」の自立項目や発症年齢,下肢麻痺の程度などによっての予測があり1),また,Sonodaら2)のピースワイズ重回帰分析による方法なども,リハビリテーション専門病棟における歩行能力の予測法としては有用である.
しかし,歩行能力の予後予測に比して,移乗動作自体の自立を左右する条件に関しては,その動作自体の効率的な実施方法についての報告はあるものの3),動作の自立にかかわる要因に関する検討は十分なされていないのが現状であると考える.われわれは,これまで片麻痺患者の病棟での移乗動作の観察により,車椅子からの立ち上がり,立ち上がってからの方向転換などの動作に加え,ブレーキ操作やフットレスト処理のミスが,移乗動作の自立を妨げる要因となることを明らかにしてきた4).そこで,今回は,その方法を再検討したうえで,改めてこれらの要因について検討を行ったので報告する.
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