Japanese
English
研究と報告
両下肢切断者における全身持久力訓練
Exercise Training for Bilateral Lower Limb Amputees.
陳 隆明
1
,
澤村 誠志
1
,
藤田 久夫
1
,
小嶋 功
1
,
大薮 弘子
1
,
長倉 裕二
1
,
中川 昭夫
1
,
中島 咲哉
2
Takaaki Chin
1
,
Seishi Sawamura
1
,
Hisao Fujita
1
,
Isao Ojima
1
,
Hiroko Ooyabu
1
,
Yuuji Nagakura
1
,
Akio Nakagawa
1
,
Sakuya Nakajima
2
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター
2兵庫県立身体障害者更生相談所
1Hyogo Rehabilitation Center
2Hyogo Rehabilitation Consulation Office for the Physically Disabled
キーワード:
両下肢切断者
,
アームエルゴメータ負荷テスト
,
全身持久力訓練
Keyword:
両下肢切断者
,
アームエルゴメータ負荷テスト
,
全身持久力訓練
pp.837-840
発行日 1997年9月10日
Published Date 1997/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108469
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
下肢の欠失,それに伴う循環動態の変化,さらには減退した身体活動量とそれによる体力の低下は下肢切断者が必ず直面する現実である.片側下肢切断者では,その切断レベルが高位になるほど義足歩行時のエネルギー消費が大きくなることが知られている1-3).したがって,両下肢切断者では義足歩行時のエネルギー消費が著しく増大することは容易に想像できる.Huang4)らは,両大腿切断者の義足歩行時のエネルギー消費は,健常者の280%増であると報告している.
これらの背景を考えた場合,両下肢切断者が義足歩行時に負う身体的負担は測りしれない.それ故,彼らの体力の賦活化と維持の実践が義足歩行の遂行のために不可欠な条件と考えられる.このような意味から障害者が日常的に持久的運動やスポーツを行うことは大変価値のあることである5,6).しかしながら,現実には切断者はスポーツ施設などの運動環境に恵まれておらず,両下肢を失った者がどのような運動をどのようにして行えば効果的かといった問題は未だ未解決である.
本研究の目的は,1)ダンベルを用いた両上肢による腕振り運動が両下肢切断者の全身持久力訓練のための運動様式として有用かどうか,2)腕振り運動を処方する前提としてアームエルゴメータ負荷テストが有用かどうかを調査し,両下肢切断者のフィットネスについて検討することである.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.