Japanese
English
特集 中枢神経障害のリハビリテーション
各種疾患のリハビリテーション
ミトコンドリア脳筋症
Mitochondrial Encephalomyopathy.
阿部 和夫
1
Kazuo Abe
1
1大阪大学医学部神経内科,理学療法部
1Department of Neurology, Osaka University Medical School
キーワード:
ミトコンドリア脳筋症
,
KSS
,
MELAS
,
MERRF
Keyword:
ミトコンドリア脳筋症
,
KSS
,
MELAS
,
MERRF
pp.1130-1134
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108503
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
疾患の概念
ミトコンドリア脳筋症は,好気的エネルギー産生に必須な細胞小器官であるミトコンドリアの異常が存在するために,種々の神経症候および筋力低下などをきたす疾患群の総称である.現在のところ表1のような分類が行われている1-3).
ミトコンドリアは,そのほとんど全てが母親からのみ子供に伝えられるので,遺伝歴のある例では母系遺伝形式をとる.エルゴ負荷などの好気的運動負荷により,血中乳酸,ピルビン酸の上昇が認められることが多く,診断に有用である.病理学的には生検筋標本でGomoritrichrome染色によってragged red fiber(RRF)と呼ばれるミトコンドリアが異常集積した筋線維,およびcytchrome c oxydase(CCO)染色で染色されない筋線維が認められる4)(図1).各臨床病型ごとに特定のミトコンドリアDNA(mtDNA)の変異が同定されているため,白血球あるいは生検筋を用いての遺伝子診断が可能である.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.