投稿論文 短報
ミトコンドリア脳筋症患者に対する心臓手術の麻酔経験
河野 優
1
,
水谷 吉宏
,
宗宮 奈美恵
,
横山 幸代
,
堀田 蘭
,
富田 彰
1国立病院機構名古屋医療センター 麻酔科
キーワード:
Fentanyl
,
Midazolam
,
嘔吐
,
三尖弁
,
術後合併症
,
心臓弁膜症
,
全身麻酔
,
窒息
,
致死的転帰
,
ミトコンドリア脳筋症
,
Dexmedetomidine
,
Remifentanil
,
僧帽弁形成術
,
三尖弁形成術
Keyword:
Anesthesia, General
,
Fentanyl
,
Mitochondrial Encephalomyopathies
,
Fatal Outcome
,
Asphyxia
,
Midazolam
,
Heart Valve Diseases
,
Vomiting
,
Tricuspid Valve
,
Remifentanil
,
Postoperative Complications
,
Mitral Valve Annuloplasty
,
Dexmedetomidine
pp.397-401
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021212660
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症例は60歳男性で、54歳時にミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群(MELAS)と診断された。59歳時に重症僧帽弁逆流および三尖弁逆流により心不全を繰り返すようになり、僧帽弁形成術および三尖弁形成術が予定された。麻酔導入はミダゾラム3mgとフェンタニル100μg、レミフェンタニル0.15μg/kg/minで行い、輸液は重炭酸リンゲル液とヒドロキシエチルデンプン製剤を使用した。入眠後、尺骨神経刺激による左母指内転筋の四連反応値を参考にロクロニウムを10mgずつ投与した。人工心肺(CPB)開始時にはジアゼパム10mgを投与し鎮静が浅くなることを避け、CPB離脱後の鎮静はミダゾラム1mg/hrで再開し、デクスメデトミジン0.4μg/kg/hrを併用した。手術終了後は挿管管理下で集中治療室へ帰室し、術後2日目の朝に抜管した。術後回診時の問診で術中覚醒はなく経過は良好であったが、術後27日目に吐物による窒息が原因で院内死亡した。
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