Japanese
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特集 中枢神経障害のリハビリテーション
各種疾患のリハビリテーション
アルツハイマー型痴呆
Dementia of Alzheimer Type.
野垣 宏
1
,
森松 光紀
1
Hiroshi Nogaki
1
,
Mitsunori Morimatsu
1
1山口大学医学部神経内科
1Department of Neurology, Yamaguchi University School of Medicine
キーワード:
アルツハイマー型痴呆
Keyword:
アルツハイマー型痴呆
pp.1135-1139
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108504
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はじめに
アルツハイマー型痴呆は1906年のアルツハイマーによる症例報告以来,代表的な痴呆性疾患として精力的な研究がすすめられている.特にわが国では,急速な高齢化社会の進行による患者数の増加のため,医学的のみならず社会的にも注目を浴びている.
アルツハイマー型痴呆は65歳未満で発症する早発型(狭義のアルツハイマー病)と65歳以上で発症する晩発型(アルツハイマー型老年痴呆)に分けられる.また,近年,発展著しい分子生物学的技法により,常染色体優性遺伝を示す家族性と散発性に分類され,家族性のものとして第1染色体および第14染色体の膜蛋白の点変異,第19染色体のアポリポ蛋白Eのε4対立遺伝子,第21染色体のアミロイドβ蛋白前駆体遺伝子の点変異の4種類のものが発見されている.
一方,治療に関しては,その中核症状である知能低下に対する有効な薬剤はいまだ存在せず,リハビリテーション医学領域からのアプローチも模索されている.
そこで本稿では,まず,アルツハイマー型痴呆の診断の際に重要である診断基準および画像診断について述べ,そしてリハビリテーション施行にあたっての評価および処方上の留意点について概説する.
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