Japanese
English
実践講座 リハビリテーションにおける臨床心理学的アプローチ
3.慢性疼痛の認知行動療法―心理学的評価・治療法を中心に
Psychological Evaluation and Interventions in a Cognitive-behavioral Approach for Chronic Pain.
室津 恵三
1
Keizo Murotsu
1
1東海大学医学部精神科学教室
1Department of Psychiatry and Behavioral Science, Tokai University, School of Medicine
キーワード:
認知行動療法
,
慢性疼痛
,
心理学的評価・治療法
Keyword:
認知行動療法
,
慢性疼痛
,
心理学的評価・治療法
pp.829-835
発行日 1997年9月10日
Published Date 1997/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108468
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認知行動療法
「認知行動療法」(cognitive-behavioral therapy)とは,不適応や症状の原因と維持に「認知」,すなわち物事や自己のとらえ方,意味づけ,解釈,イメージ,考え方などの内的過程が大きく関与していると考え,認知療法および行動療法の技法を用いて,不適切な認知をより適切な認知に修正することによって不適応や症状の改善を図る心理的な治療法の総称である.これまで,たとえば,Ellisの論理療法(Rational-Emotive Therapy),Beckの認知療法(Cognitive Therapy),Meichenbaumのストレス免疫訓練(Stress Inoculation Training)など,さまざまな認知行動療法が提唱されており,用いる技法は実に多彩である1).また,扱う対象も多方面にわたり,心身医学領域に限っても,慢性疼痛,摂食障害,肥満,糖尿病などに適応が試みられている.
したがって,今回紹介する慢性疼痛の認知行動療法は,典型的な「認知行動療法」というよりも,東海大学病院におけるひとつの試みにすぎないことをお断りしておく.
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