Japanese
English
特集 重度障害者のリハビリテーション
医学的リハビリテーション
家庭復帰への援助
多肢切断
Multiple Amputation.
中島 咲哉
1
,
松田 美穂
1
,
小嶋 功
1
,
長倉 裕二
1
Sakuya Nakajima
1
,
Miho Matsuda
1
,
Isao Ojima
1
,
Yuji Nagakura
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター
1Hyogo Rehabilitation Center
キーワード:
疫学的調査
,
術直後あるいは早期義肢装着法
,
チーム・アプローチ
Keyword:
疫学的調査
,
術直後あるいは早期義肢装着法
,
チーム・アプローチ
pp.949-955
発行日 1994年11月10日
Published Date 1994/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107733
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はじめに
「手は表に現れた脳髄である」という言葉にみるごとく,われわれ人間は四肢を上肢・下肢に,すなわち「手」と「足」という各々独立した器官として役割分担をすることによって万物の霊長として君臨し,社会生活を営むことができるようになった.
四肢切断は,その人間としての社会生活を営むために必要な行動力を物理的に失うことである.当然,多肢切断ではその障害度が高くなり,日常生活での行動の制限は大きくなる.
しかし,四肢切断者は他の多くの障害とは異なり,特に重度の合併症がない限り,失われた手や足の機能を補填することによって健全な自立生活に復帰することが可能であり,リハビリテーションの目的も健全な社会人として必要な行動力の回復に置かれるべきであると考えている.
残念ながらわが国では従来から四肢切断者に対しては,専門的なリハビリテーションの観点からも,一般の社会的な認識という点においても正当な評価と対応がなされているとは言い難いのが現実の姿である.
多肢切断者に対するリハビリテーションを特殊な状況(重度障害)として捉えざるを得ないような医療環境と社会的環境を改めるためには,四肢切断の90%以上を占めている一肢切断者に対するリハビリテーション体制の整備と社会的な認識改善を推進することが,何よりも重要な課題であることをまず初めに提言しておきたい.
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