Japanese
English
症例報告
声門閉鎖不全による嚥下障害を合併した高齢頸髄損傷の1例
A Case of 81 Years Old Incomplete Quadriplegic Male with Dysphagia due to Insufficient Glottic Occulusion.
船越 政範
1
,
大橋 正洋
1
,
伊藤 裕之
2
Masanori Funakoshi
1
,
Masahiro Ohashi
1
,
Hiroyuki Ito
2
1神奈川リハビリテーション病院リハビリテーション医学科
2神奈川リハビリテーション病院耳鼻咽喉科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kanagawa Rehabilitation Hospital
2Department of Otolaryngology, Kanagawa Rehabilitation Hospital
キーワード:
声門閉鎖不全
,
高齢脊髄損傷
,
頸髄損傷
Keyword:
声門閉鎖不全
,
高齢脊髄損傷
,
頸髄損傷
pp.749-752
発行日 1997年8月10日
Published Date 1997/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108449
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はじめに
高齢頸髄損傷者では,若年者と比較して加齢に伴う医学的問題を合併し易く,機能訓練に必要な予備的体力が之しい.さらに介護者となるべき配偶者が高齢で,障害が重度な場合は家庭復帰困難な例が多い.
今回われわれは,81歳の高齢頸髄損傷者に,甲状軟骨の亜脱臼によると思われる声門閉鎖不全を合併し,誤嚥による肺炎発生が危惧される1例を経験した.肺炎を併発した場合は全身状態が悪化し,自宅退院困難となることが予想された.この症例に,肺炎発生予防と自宅復帰援助のために行った対応を報告し,高齢頸髄損傷者の問題点と喉頭外傷による嚥下障害の発生に関する文献的考察を示す.
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