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特集 老人の脊髄損傷
高齢脊髄損傷者の医学的問題点―神奈川県総合リハビリテーションセンターの事例から
Medical Problems of the Elderly Spinal Cord Injury Patient: Cases in Kanagawa Rehabilitation Center.
水落 和也
1
,
安藤 徳彦
1
,
大橋 正洋
1
,
林 輝明
2
,
石堂 哲郎
3
Kazuya mizuochi
1
,
Norihiko Ando
1
,
Masahiro Ohashi
1
,
Teruaki Hayashi
2
,
Tetsuo Ishido
3
1神奈川県総合リハビリテーションセンターリハビリテーション医学科
2神奈川県総合リハビリテーションセンター整形外科
3神奈川県総合リハビリテーションセンー泌尿器科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kanagawa Rehabilitation Center
2Department of Orthopedic Surgery, Kanagawa Rehabilitation Center
3Department of Urology, Kanagawa Rehabilitation Center
キーワード:
高齢脊髄損傷
,
脊髄損傷の合併症
Keyword:
高齢脊髄損傷
,
脊髄損傷の合併症
pp.417-421
発行日 1990年6月10日
Published Date 1990/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106281
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はじめに
人口の高齢化に伴い,リハビリテーション医学の分野においても,加齢が大きな問題となってきている1~3).脊髄損傷についても日常の診療場面では高齢発症の脊髄損傷(以下,脊損と略)者の増加,脊損者の加齢による二次的な医学的問題の増加などを実感することが多い.しかし,これを実証する客観的な資料,研究は意外に少なく,我々が今回検索した範囲では欧米の文献がいくつかある4~7)ものの,我が国では日本パラプレジア医学会で安藤ら8)が行った高齢者頸髄損傷のパネルディスカッションがあるのみである.
そこで今回,我々は「高齢者の脊髄損傷」の特集にあたって,神奈川県立総合リハビリテーションセンター神奈川リハビリテーション病院における高齢脊損者の実態を明らかにするために過去10年間に当院で入院加療を行った高齢脊損者を後方視的に調査した.
その結果,さまざまな医学的問題が明らかになり,高齢脊損者の医学的管理について若干の知見を得たので報告する.
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